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2009年度 第3回勉強会ご報告レポート

「建設工事で遭遇した重金属含有の海成泥岩の調査・対策事例」

講師: 門間 聖子さん
(応用地質株式会社東北支社 ジオテクニカルセンター)
開催日時:2009年11月13日(金) 14:00~16:00
会場:岐阜大学工学部302教室
主催:岐阜土壌地下水研究会
共催:NPO法人岐阜大学環境技術研究会

●講演内容●

2009年度第3回の勉強会は岐阜土壌地下水研究会と共催で、自然由来の重金属等の堆積土壌に対する調査・対策事例をご紹介いただきました。
特に今回は、仙台市における地下鉄工事で、路線上に、重金属が溶出する可能性がある地層(新第三紀鮮新世の海成層である竜の口層)が分布していたことから、施工に先だって溶出特性調査と掘削発生土の処理対策を実施した事例です。

ご講演では、まずボーリングコアの溶出試験結果と溶出挙動に関する考察を詳細にご説明いただきました。
また、今回は土壌の処理方法として、砕石場跡地の森林復旧という用途で搬出先の実例をご紹介いただきました。これは地下鉄建設工事のように大量の建設発生土を生ずる事業では、環境保全の観点から、建設発生土を再利用することが基本という原則に則っています。 ここでは搬出先の周辺住民(約70世帯)に対しては、約5ヵ月間かけて説明を実施し、地下水のモニタリング結果を報告して、リスクコミュニケーションをとることに努めています。

自然由来の重金属は、土壌汚染対策法における人為的な汚染(公害)とは異なりますが、掘削・搬出により人為的汚染とみなされます。
岐阜県内でも建設工事において、海成泥岩や粘土に由来するヒ素等の重金属検出事例が各地で見られますが、これらの自然由来の重金属は四方にある海、火山や温泉、鉱山や鉱床が関連しています。建設工事でその地層を掘削する場合、何十万㎥もの「重金属汚染」土壌が排出されることになります。
土壌汚染対策法は、何十万㎥もある掘削土についても100㎥ごとに1試料・全項目の溶出試験と含有量試験を行う、としたり、原位置封じ込めを指示しています。この法律には自然由来の重金属という観点に則った緩和措置が明記されるべき、というご意見もお話いただきました。

会場の様子


質疑応答中の門間先生

質疑応答では、工事現場などで自然由来の重金属が検出されている実例の多さに比例して、分析機関で実施されている担当者から「どう判定したらよいか」、という生の声や、モニタリング項目や頻度など、具体的かつ現場に密着した質問が多く出ました。

非常に実のあるご講演をいただきました門間先生、ご準備いただきました関係者各位、ご参加いただきました皆様に厚く御礼申し上げます。